今回のコンサートは「1880年以降の作品を集めて」という副題をつけました。
今年はたまたまラヴェル生誕150年、サティ没後100年にあたります。
今年は大阪万博が開かれていますが、1889年にはフランス革命から100年という記念で、エッフェル塔が建てられたパリ万博が開催されました。
そこでは日本庭園が造られたり、インドネシアのガムラン音楽が紹介されたり、東洋などさまざまな文化が紹介され、音楽の世界にも多大な影響を与えました。
今回演奏されるサティやドビュッシー、ラヴェルたちもそのような響きを取り入れたりしています。
パリ万博前から生まれてきていた新しい響きの音楽がますます花開いた感じでしょうか。
その動きに触発されて、1度は作曲の筆を折ったブラームスがまた作曲を再開して素晴らしい作品を生み出したことも特筆すべきことです。
そこで、今回の作曲家たちを生まれた順に並べると以下のようになります。
- ブラームス1833~1897年
- ドビュッシー1862~1918年
- サティ1866~1925年
- ラフマニノフ1873~1943年
- ラヴェル1875~1937年
- 中田喜直1923~2000年
それでは、作品の作曲年代を順に並べてみます。
- 1890年サティ(グノシェンヌ、ジュ・トゥ・ヴー)ドビュッシー(夢、ロマンティックなワルツ、舞曲、ベルガマスク組曲)
- 1892年ラフマニノフ(エレジー、プレリュードop.3-2「鐘」)ブラームス(間奏曲p.119-1,間奏曲p.117-1)
- 1894年ラフマニノフ(ワルツ)
- 1901年ラヴェル(水の戯れ)
- 1902年サティ(大リトルネッロ)
- 1903年ドビュッシー(塔)ラフマニノフ(プレリュードop.23-4&5)
- 1905年ドビュッシー(ベルガマスク組曲改訂版)
- 1908年ドビュッシー(ゴリウォーグのケーク・ウォーク)
- 1910年ドビュッシー(前奏曲集第1巻)
- 1913年ドビュッシー(前奏曲集第2巻)
- 1914年ラヴェル(クープランの墓)
- 1916年ラフマニノフ(音の絵第2集)
- 1933年ラフマニノフ(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番より)
- 1958年中田喜直(こどものための8つのうた)
この年表とプログラムの順番とは異なりますが、時代の流れを演奏から感じられると面白いですね。
勿論、フランス人のサティ、ドビュッシー、ラヴェル、ロシア人のラフマニノフ、ドイツ人のブラームスという国民性の違いを感じるのも面白いです。